出石歩記

出石焼 虹洋陶苑

IZUSHI PORCELAIN KOUYOUTOUEN

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その壱

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出石で生まれて出石で育った私にとって出石は生活の場所である。
しかしそこには沢山の観光のお客さんが訪れるわけである。
『ちょっと待てよ!子供の頃にそんなに観光客を見かけた記憶などないぞ! 』
『観光の町城下町いずしってそんなにおもしろいところ?』
てなわけで出石歩記を決行しました。
メンバーは お蕎麦屋さんのTさんとあられの製造メーカーの工場長のIさんと和の3人出石再発見の小さな小さな旅の始まり始まり・・・。
10:00待ち合わせもTさん若干遅刻でIさんは遅れて合流となりました。
駐車場に車を止めて始まりと思ったとたん 「なにしとるん?」(これって思いっきりいずし弁?)
共通の知人(お蕎麦屋さん)に 声をかけられ30分足止め、どうなりますやら・・・。
再び歩き始めて、家老屋敷の門へと、
家老屋敷は出石城の内堀の中にあった高級武士(家老級)の居宅として使われていたものです。
外観は一見平屋建てに見えますが、隠し二階があり不意の襲撃に備えてあるそうです。
江戸時代における三大お家騒動の一つに挙げられる仙石騒動の中心人物仙石左京の屋敷があった場所のため「左京屋敷」とも呼ばれています。
11月3日に行われるお城祭りの道具が展示されていて、槍振り経験者としては懐かしかった。
受付の方が知り合いだったので少しお話を聞かせていただきました。

大手門に出るとやはり人が多いですね。
Tさん早くもソフトクリームゲットでしっかり観光客してました。
通りを抜けておみやげやさんを覗きながら虹洋陶苑へ・・・。
尚さんが「いらっしゃいませ」 と迎えてくれました。(笑)
その間も数人に「なにしとるん?」「今日は休みか?」と声をかけられる三人でした。
虹洋陶苑でのウインドゥショッピング(?)を終えてまたまた散策へ・・・。

その弐

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出石町指定文化財である旧福富家住宅を解放して、出石藩や仙石家に関する史料が展示されています。
この旧福富家住宅は明治時代に生糸を商った豪商の旧邸で主家・離れ・土蔵と3つの庭からなる贅沢な数寄屋風の建物です。
中は思っていた以上に広く古い地図などもあり3人で興味深く見入ってました。
離れの二階の窓から見える景色がこれまた趣があってお薦めですよ。
史料館を出るとすぐに赤い土壁の酒蔵が目に飛び込んできます。
出石は本当にお寺が多くてこの角からでも高福寺・西方寺・如来寺・昌念寺・本高寺を見ることができます。
いろいろなお寺を訪ね歩く旅なんてのもいいかもしれませんね。
さてこの赤い土壁の酒蔵、季節によってもまたその日の天候によってもその表情を変えるそうです。
今回は天気が良かったのでわりと白っぽかったのですが、雨の日に来ると少し赤みが強くこれまた趣があるそうです。
これはあとからご出場願います中易酒造の奥さんに聞いたのですが、いつも通る道なのになにも感じなかった感性の乏しさを反省する和であります。
このことを後で尚さんに話すと尚さんは既に雨の日を楽しんでいたらしいです。
酒蔵の角を曲がり本高寺を抜けると宗鏡寺(沢庵寺)へ続く坂道に出ますがこの旅では見送りました。
宗鏡寺(沢庵寺)は、たくあん漬けを広めて偉大な禅僧として大衆に愛されただけでなく三代将軍・家光にも厚遇をうけた沢庵和尚が荒廃していたお寺を元和2年(1616年)に再興して出石城主代々の菩提寺となったお寺です。

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その参

michisirube.JPG出石は但馬の小京都と呼ばれるだけあって町並みが京都によく似ているといわれます。
町屋はいわゆる”ウナギの寝床”と言われるように奧行きがあり、通りは碁盤の目になっています。
ポイントには道しるべが整備されていますので、観光パンフレット片手に道しるべに沿って散策しました。
さて、その弐の続きですが今回は酒蔵の中に入ってみました。
ここは中易酒造さん(出石酒造有限会社)で以前はこの酒蔵の二階で毎年コンサートが開催されていました。
ここのお酒を飲みながらするめをしゃぶりながら和も尚さんと楽しんでいます。
Tさんのお店もここのお酒を使っているだけあって顔なじみです。
案の定中に入っていくと、ご主人と奥さんが
「 今日は何事?」と聞かれたので事情を説明すると
「それは楽しいことををしとんちゃるな。」とご主人。
「 それでは観光客と同じように対応しましょうか。」と奥さん。
いろいろなお話をして下さいました。
それも試飲付きで・・・。
お酒大好き和としましてはもう嬉しくて美味しくて!
楽々鶴とよく冷やした楽々鶴の原酒を頂きました。
中易さんの奥さんは今回私たちがこの目で見たことを観光客に活かせればと言うもう一つのコンセプトを既に実行されていました。
何処何処の花がいつ咲くか、いつが見所か、前にレポートしました、酒蔵の雨の日の楽しみ方とか、さらにはお蕎麦やさんに至るまで、いろんな情報を持っておられて、観光客とお話をしておられるようです。
自分のお店に来ていただくお客様というより、我が町出石へ遊びに来られている方々をみんなでおもてなしをしなければとあらためて感じました。
美味しかった・・・いや楽しかった中易酒造を出て右へと進みました。
正面に見えるのは本覚寺、通称てっせんのお寺。
中に入ってみるとまだ花は咲いていませんでした。
(出石歩記をしたのは、4月26日)
手入れをしておられる奥さんを見かけたので尋ねてみますと、見頃は毎年5月の中頃とのことですので、また訪ねてみることにしました。

次回は以前から気になっていたところから・・・。

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雨の酒蔵を後日訪ねてみました。

その四

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今の町役場に弘道小学校があった頃、小学生だった私にとって通学路に不思議な場所があった。

大きな庭園に小さな丘陵があり、見えそうで見えない、かといって勝手に入るわけにはいかない、子供の頃の私にとってはとても不思議な処でした。
そこは『東櫓閣庭園』といって茶・華道教授のお宅で茶室と庭園を15年ほど前から一般開放されている処です。
大人になって一般開放されたのは知っていましたがあらためて中に入ることをしなかったので、気になったままになっていましたが、 今回はチャンスとばかりに訪ねてきました。
門をくぐり順路に沿って歩くと小さな丘陵を登っていきます。
この丘陵は昔、内堀を掘った残土を積み上げたものだそうです。
一番上には出石藩城主の茶室がありました。
住居も併設されていたので声をかけると奥さんが出てこられ、事情をはなすと畑仕事をされていたご主人を呼んできて下さいました。
ご主人は九十一歳とのことですが、とてもとてもそうは見えなく、しっかりとした足取りで庭を案内して下さいました。
その後京都から職人を呼び造らせたという茶室に通されて、一服頂きました。
大きな栗を黒砂糖で味を付けたお菓子と落雁を頂き、不作法ながらおうすを楽しみました。
その間荒れ果てていたこの庭園を自分の手で少しづつ少しづつ手入れをして今日に至った苦労話をお話下さいました。
これもまだライフワークとして継続中とのことです。
人工滝のせせらぎに一時の静寂を満喫する事ができました。
『東櫓閣庭園』をあとにして再び大手門前に。
この時点で既に12時をまわっていたので、お腹もすいてきました。
次回は締めくくりと参りましょう・・・。

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その伍

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『東櫓閣庭園』をあとにして再び大手門前に出ますとそこはやっぱり賑やかなメイン通りといった感じです。
子供の頃のそこは弘道小学校の校門であって、学校が終わると急いで家に帰って自転車に乗り換えて再び学校にやってくるものや、そのまま学校に残って野球をするものや、 小学生の生活の場でした。
しかし今やその面影はほとんどなく、観光客の人々と車が行き交う場となっています。
昼食はお蕎麦やさんも居ましたがやはり出石そばを食べようと言うことになっておそばやさんに入りましたが、 昼を少しまわっていましたが忙しそうでした。
出石そばは出石焼きの小皿に5枚一人前として出されるのですが、最近はそのお店のこだわり蕎麦としてつなぎなしのいわゆる十割蕎麦としてざるに盛った蕎麦を出されるお店があるようです。
そのお店にもあったので私はそれを頂きました。
食べると鼻から蕎麦の香りがすーっと抜けてとても美味しかったです。
お店を出て煎餅を立ち食いをしていると蕎麦茶をどうぞってことで頂きました。
初めから二件は食べにいこうと決めていたので、またまたぶらりと歩き出しました。
二件目のお店に入って先ずは冷酒をTさんと一本ずつ頂きました。
出石のおそばやさんはあてと言ったら、たいていの店でサヨリの干物が出てきます。
理由は知りませんが、私たちもサヨリで 一杯楽しみました。
その後今度は 、皿そばを一人前つまり5皿頂きました。
そばが来ますとすぐに先ずはネギとワサビをそばの上に直接のせてだしをかけて皿なりにズズッと頂きました。
うまい!
今度はそば猪口にあらかじめ卵と山芋とネギとワサビとだしを合わせたものの中に一皿分すべてを入れて ズズッと頂きました。
これまたうまい!
3皿、4皿と続け、最後の5皿目で再び直接皿にだしを、いわゆるぶっかけで締めくくりました。
そこへそば湯の登場で少しだしをおとして頂きました。
う〜ん、これまたうまい!
たっぷりとそばを堪能し駐車場で解散となりました。
時間は3時半になっていました。
それにしても出石再発見のつもりで出発しましたが、結構メジャーな所しか行けませんでした。
しかし出石はおもろい!の結論に達しました。
今度は裏路地とかも廻る旅がしてみたいですので機会がありましたらまたレポートしますね。

それでは出石もしくは周辺にお住まいの方、遠くからお越し頂く観光客の皆様、是非是非こんなおもろい出石を自分流に旅してみて下さいね。
きっと素敵な一期一会がありますよ・・・。

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